BLOG-098 ショッカー戦闘員コスチューム再生

 BLOG-097で紹介したとおり、RAH №260 ショッカー戦闘員 ベレータイプは、発売当初、コスチュームの下半身が前後反対に縫い付けて出荷された。直ちに、メーカーから着せ替え用の正規コスチュームがカスタマーへ送付されたが、完全に行き渡ったわけではなく、オークションでは出荷時のまま取引されていることが少なくない。さらに、この製品についてはコスチュームの劣化が著しく、未開封で保管しておいたとしても、シルクプリントの黒色部分が融解し、ブリスターに密着して光沢が発生する。爪を立てて触れれば、たちまち傷が付くという有様だ。

 素体とショッカーベルト、頭部、ブーツ、掌パーツは使えるとして、コスチュームは廃棄するしかないのか。いや、それは勿体ない。問題があるのは黒色塗装部分なので、それを除去すれば生地が活かせることになる。そこで、再生の一例を紹介する。

 

 工程① ホームセンターで売っている徳用缶のうすめ液と、粉末コーヒーなどのガラス空き瓶を準備する。

 工程② 空き瓶の中にコスチュームを入れて、うすめ液を入れる。全部が浸からなくても構わない。

 工程③ コスチュームの全体にうすめ液が浸透するように、シェイクを繰り返す。

 工程④ 1時間ほど放置してシェイクを徹底すると、黒色部分のみが融解してうすめ液が真っ黒になる。

 工程⑤ 十分なシェイクを終えたら、うすめ液を取り換え、行程④を再度行う。

 工程⑥ コスチュームを取り出し、新聞紙などの上で乾燥させる。臭いが強いので、屋外で行うべき。

     決して水は使わないこと。

 工程⑦ 2~3日かけて、十分に換装させる。

 工程⑧ 染めQで塗装する。素体に着せて、部分的によく狙って満遍なく吹き付けると良い。

 

 今回、染めQのブラックを使用した。缶スプレータイプではなく、小タンク100mlを購入し、所有のエアブラシで吹いた。この塗料は粒子が大変細かく、1回の塗膜は非常に薄い。何度も繰り返して濃くしていく必要があるが、塗料が生地に浸透するように定着していくので染めたような仕上がりになる。縫い目など、デリケートな部分にも塗装を浸透させ、かつ無駄に広く塗料を飛ばさないためにも、エアブラシで狙い撃ちした方が良い。

 結果、評判通り、ゴワツクことなく染めたかのように綺麗に塗装できた。引っ張ってもヒビが入ったり、剥がれたりする心配は全くない。光沢のブラックを使用したが、不自然な光沢も出ていない。ただ、塗料が完全に浸透しているわけではないので内部は赤いままである。関節を稼働させ生地にテンションをかけると、ほんのりと赤く見える。だが、これは気にしないことにする。染めQ100mlで、3着のコスチュームを塗装できた。何度も重ね塗りをする必要があるので、思ったより塗料が多く必要になる。

 ショッカー戦闘員ベレー帽タイプは、赤戦闘員でないタイプも欲しいので、今回はちょうど良い機会になったと思う。

 

<Toy Data>

・RAH メールインオファー №004 ショッカー赤戦闘員

  RAH 仮面ライダー旧1号(スタンダード)初回購入特典商品

  発売年不詳 ¥9,240 (税込)

  

・RAH №260 ショッカー戦闘員 ベレータイプ

  DX 仮面ライダー旧1号Ver.2.0購入チケット限定

  2006年 ¥10,290(税込)