BLOG-0091 フィギュア撮影の様子

 フィギュア撮影の様子を紹介する。と言っても、専用のスタジオがあるわけではなく、部屋を工夫した自前のセットを用いている。近頃は、HGよりCCP1/6サイズを中心とする大型フィギュアを撮影する機会が多く、それなりの空間確保が必要である。
 撮影した後に、Adobe LightroomとPhotoshopで画像編集することになるが、なるべく手間をかけずに仕上げたい。そのためには、最初から背景を単一に抜くことが肝心である。過去に用いていたブラックの背景は、フィギュアの見栄えがよくなると同時に、影が出ないので撮影しやすかった。しかし、なるべくフィギュアの彩色を正確に、かつニュートラルに表すためには、やはりホワイトの背景がベストだと思うようになり、今日に至っている。

 さて、背景セットを用意するのは容易ではない、しかも30㎝サイズを扱うとなると尚更である。そこで、天井に遮光ロールスクリーンをセットしている。色調はホワイトではなくベージュ。これを引き下げて、背景のセットを作るのは手間がかからずに済む。
 照明は真上に位置する天井の蛍光灯、それから正面の窓から入り込む自然光。北向きの窓なので、あまり強い光は入らないが、それでもブラインド操作で控えめに調整する。自然光の取り込みは重要と考え、撮影は夜ではなく、天気の良い昼間に行うようにしている。それでも、部分的に光源が足りないので、移動のできる蛍光灯(螺旋状の電球)でフォローする。当然、影は出来る。しかし消さない。自然な影は、モノの存在感と立体感を醸し出す重要な脇役だからだ。
 使用しているカメラは、SONY製のフルサイズとAPS-Cセンサーのミラーレス。最近は、APS-Cで撮影することが多い。センサーサイズは、フルサイズだと持て余すのでAPS-Cで十分である。レンズはというと、Canon FD 50mm F3.5 MACROという、30数年前のマニュアルフォーカスのレンズを愛用する。ミラレースカメラは、マウントアダプターを介して、昔のレンズ資産がメーカーの枠を超えて使用できることが魅力。多くのマニュアルレンズを集めたが、このマクロレンズは気に入っている。ズームではなく単焦点レンズなので、写りは申し分ない。光学レンズの基本性能はそれほど進化していなく、カメラ側の性能が大きく向上したことで時を越えて無敵の性能を発揮する組み合わせが実現する。三脚を使用するため、ISOはなるべく100でノイズを抑え、シャッタースピードはカメラ任せ。F11~16まで絞り込む。そうしないと被写界深度が稼げない。場面によっては、絞りを浅くして意図的に暈すことはある。

 その後、上述の画像編集ソフトで調整する。ホワイトバランスやシャード―の持ち上げなどを行うが、過度の編集は避けている。ソフトの性能が良くなってきているので、如何様にもカッコよく色やコントラストを作り込むことは出来るが、実際の色調からかけ離れたものになってしまってはいけない。大きなトリミングも行わない。マクロレンズを使用しているので、拡大したければレンズを近づければ済む。
 元々写真好きなので、フィギュアを撮影する機会は少ないにしても楽しく行っている。また、サイトを訪れてくれるクライアントのために、努力義務としても頑張っている。