BLOG-0080 CCP1/6特撮 キングジョー vs セブン

 ある玩具メーカーの担当者に聞いた話だが、ヒーローが危機に瀕している場面は、フィギュア化の許可が得られ難い。それは、無敵なヒーローのマイナスイメージを増長させてしまいかねないからだ。しかし、それは原則であって、カプセルトイや食玩という量産品ですら、初代ウルトラマンの胸がゼットンに打ち抜かれているシーンや、ウルトラマンジャックが羽交い絞めにされ、ナックル星人に殴られていシーンなどが商品化されている。

 さて、CCPから満を持してキングジョーが発売された。しかも、ウルトラセブンの上に跨って襲い掛かる場面の再現ポーズである。これは、「ウルトラ警備隊西へ」の前編から後編を繋ぐ有名な場面である。同時に、菊池英一が演じたセブンも新造形で発売された。延藤社長曰く、フィギュアの単価を下げるために、2体セットで販売する手法があるようだ。
 ついでに、キングジョーもセブンも、別パーツへの交換で個々に立ちポーズが出来るというアイデアが盛り込まれた。しかし、これは賛否両論があろう。専用のポーズに固定しないと不自然だからだ。例えば、うつ伏せの姿勢で造形されたキングジョーの上半身を、直立する下半身に組み替えても、バランスに少し違和感が出る。ましてや、菊池セブンを立ちポーズにすると非常に不自然になり、この格好でディスプレイするファンが何人いるだろうか疑問である。セブンは仰向けに倒れているのだから、もっと地面に吸い付くように背中を平坦にしてしまった方が安定して良かったと思う。
 キングジョーは造形が難しく、少年リックの20㎝サイズでさえ決定版がないと思う。ところが、30cmサイズにおいては、パイロットエース製のキングジョーが王座についている。実際に、CCP社にもディスプレイされており、今回のリリースに強く影響を与えているものと思われる。実際に並べてみると、細部に解釈の違いはあれ、非常によく似ている。造形の参考にされていることは間違いないだろう。
 発光ギミックは、なかなか面白い。キングジョーの胸は、クリアパーツにレインボー色が塗装され、裏面に内蔵されたLEDの照射が変化する仕組みになっている。スイッチは、右腕に内蔵されていて、頭部、胸部右、胸部左用の3つを、手探りで位置を探しながら操作する。こうしたギミックは、いつの間にか電池が無くなり機能しなくなるため、省略して価格を抑えた方が良いという考え方もできるが、キングジョーに関しては、付いていれば嬉しい機能である。

 

Toy Data
CCP1/6特撮シリーズ VOL.DX 宇宙ロボットキングジョー対セブン対決セット
2018年3月発売 ¥32,407