CCPから初代レッドキングが改めて発売された。金型は使い回しだが、今回は新造形のウルトラマンAタイプとマウントして、取っ組み合いのシーンを再現できることが売りである。
このレッドキング、ブラックバージョン等を除く彩色版としては、自分の記憶ではVer.3になると思う。Ver.1は、CCPの延藤社長が自信満々でリリースしたものだったが、青色感が強すぎるという評価が多かったため、黄色感を強くする再塗装のサービスが提供された。この時の彩色版をVer.2と認識している。(当サイトのBLOG-0043では、Ver.1.2としている。)何度も繰り返してリリースするのがCCPの特質で、それは経営のためでもあろうが、“究極”への道のりが長いことを意味している。
ユーザーの大半が求めているのは、劇中に登場した着ぐるみ、つまり本物の怪獣である。延藤社長は、一人一人の記憶に焼き付いたイメージが同一ではないため、フィギュアとしての再現には幾通りもの仕様があると考えている。また、劇中に変色したり劣化したり、あるいは補修されたりして、完全に一つの造形・彩色には固定できないという事情が実際にあろう。ゴモラやエレキングの例が分かりやすい。
今回の初代レッドキングVer.3は、重塗装で皮質に生命感があるというか、フィギュアとして高級感がある。かといって、コッテリとした塗装ではなく、成形色を活かした薄い塗膜でテクニカルなウェザリングを重ねて彩色しており、用いた色数も多い。しかし、劇中の着ぐるみに似ているかというと、決してそうではない。実際のプロップの方が、簡単な塗装で安っぽかったりする。Ver.3は、レッドキングという人気怪獣の容姿が独り歩きし、より格好良く質感の高いものに仕立て上げられている雰囲気が濃い。強いて言うならば、CCPオリジナルのレッドキングというところか。
こうして見ると、延藤社長が自負したVer.1こそが、劇中の着ぐるみに最も似ているのかもしれない。Ver.1は、光の当たり具合によって雰囲気が随分と変わるが、似ていると強く感じる時が実際にある。ただ、撮影時のスチル写真では、よく見ると表皮の黄色はメタリック(ゴールド)である。レッドキング2代目は別として、初代レッドキングをメタリック色で彩色したフィギュアは見当たらない。今回のVer.3は、ややパール色で、その辺を狙ってきたのかもしれない。
しかし、いつか“究極”という冠の相応しい初代レッドキングが欲しいものだ。
Toy data
CCP1/6特撮シリーズ Vol.081 初代レッドキング
2018.12 ¥ 22,680