BLOG-0074 京商1/18フェラーリ365GT4BB

 フェラーリ365GT4BBは、スーパーカーブームの頃、ランボルギーニカウンタックと並ぶ人気車で、両メーカーの将来を探るフラッグシップ的存在であった。両車ともミッドシップレイアウトを採用しており、その独特なフォルムは共通していたが、丸みを帯びたデザインのBBか、直線的なデザインのカウンタックかで人気を二分した。

 BBとは、ベルリネッタ・ボクサー(Berlinetta Boxer )の略で、「2ドアクーペ」「水平対向エンジン」を意味するという。ただし実際のエンジンは180°のV型である。

 車体にはFRPの多用、前後カウルのアルミ化、ボディー構造の簡素化など、徹底した軽量化が図られており、DIN(ドイツ工業規格)で1,236 kg(エアコンとパワーウィンドウを除く)と軽い。4.4リットル級12気筒車で車重1,300kg以下というスペックは、当時としては驚異的であった。

 70年代スーパーカーの魅力の一つに、カウルの開閉機構がある。通常の車ならボンネットやトランクが部分開閉するのだが、カウルごと開く姿は当時のレーシングカーそのものだった。この365GT4BBも、上半部のみが持ち上がるカウルオープン機構を持っている。ヘッドライトはリトラクタブルなので、ヘッドライト部分はカウルと一緒に持ち上がらず元の位置へ残される。この辺りの仕組みも、当時の子供心を魅了したものだ。フロントカウルの下には、スペアタイヤやバッテリー等が配置されている。

 ボディー色は、フェラーリの定番であるイタリアンレッドと、下半部ブラックのツートンが似合う。このブラックは、納車時は全くの艶消し塗装であったそうだ。

 子供の頃の知識として512BBとの相違は、テールランプの数が365は6個、512は4個、そして512にはフロントにチンスポイラーがついているという程度。また、ウインカーレンズが365はホワイト、512はオレンジと認識していたが、実際にはこの限りではないようだ。

 365GT4BBは、1973年10月の生産開始から76年7月に512BBへと進化するまでの33か月間で、387台が生産された。カウルの工作は大変に複雑で、手間のかかる工程であったという。512BBは自動車排出ガス規制対策として排気量を600 cc拡大したほか、真の量産体制を構築するための改良であった。この時、車重は120kg近く増加している。

 

Toy Data

1/18 フェラーリ365GT4BB 京商 2006年9月発売