DGウルトラマン3より待つこと4ヶ月。この第4弾によって、マンセブン怪獣コンプリート計画が一歩前進した。また、リメイク計画も続行されている。ラインナップは、旧作品と劇場版のキャンペーンとして新しいキャラクターを織り交ぜたものとなっている。
仮面ライダーシリーズの方で華やかなDG処理は、ウルトラマンシリーズでは十分な発揮が見込めないものの、怪獣の生物的表現の向上に貢献させていると言える。一方、アナログ塗装では、ウルトラマンの赤色部分を成形樹脂色のまま表現しようとする傾向が出てきており残念だ。
ザンボラー
表皮の色は、茶色の成形色に焦げ茶のウェザリングという古典的手法だが、全体に明るめの色調なので、もう一色、褐色を部分的に被せて欲しかったところだ。角はクリアパーツに彩色したものを接着、背ビレは3分割したクリアパーツにDGプリントを施している。この手法は、やはりクリアパーツに対しては発色が良い。美しいグラデーションが表現され、劇中の電飾発光の雰囲気が出ている。DGプリントは、このような面的な処理にも有効だということを改めて認識した。ただ、背ビレ各パーツの両側、及び片面からプリントをかけているものの、側面には転写が行き届いていない。DGプリントは、回り込みに弱いという欠点がある。眼球もプリント処理で、赤い縁取りが施されていて抜かりない。
造形的にも満足できるもので、このサイズで、口を分割にしてくれたのは何より嬉しい。分割も面白い試みが為されている。
ベムスター
旧作と比較すれば一目瞭然。今回、申し分のない出来栄えである。造形にはプロップのウレタンのような質感が出ているし、塗装はアナログとデジタルがハーモニーを奏でるようなマッチングを見せている。
顔面が面白い。分割を外してみると、下顎を除く大部分はクリア樹脂を使用している。これは、顔面のDGプリントの発色を良くするための措置だろう。だが、後頭部はアナログ塗装とし、工程を省略している。目は、ザンボラーと同様な縁取りを施している。胸から腹部のDGプリントは巧みだ。よく見ても、アナログとデジタルが識別できないくらい調和している。この辺は、彩色監督者の力量に依存するところが大きいだろう。
新マン
ブーツに汚しが入っているのは評価できるが、赤色部分が成形色なのは、大いに残念だ。新マンについては、表皮の二重線表現が悩みの種でもあるが、そのような工程のシワ寄せが結局は肝心の部分に及んでしまった感がある。
造形は気に入っている。決してスマート過ぎず、アクターの体系がよく表現できている。特に臀部のラインは、当時のスーツアクター菊池英一氏の体型そのものと思う。
その他
申し訳ないが、個人的な都合で他については一括して触れる。
彩色については、レオの目がDG処理してある以外、全てアナログ処理だと思われる。但しHG時代とは違って、表裏ともに施し、細かい部分まで積極的に塗装している。特にテクターギア・ブラックは、プロテクタ表面に稜線を入れるため、塗装工程が抜きん出て多くなっていると思われる。
レオの赤色は体の大部分を占めているため、さすがに塗装してあったが、テクターギアの赤と黒、ダークロプス・ゼロの黒は成形色である。しかし、樹脂色のままと言っても、HG時代に考案された、光沢が弱く質感を著しく下げることのない新素材である。
Toy Data
DGウルトラマン04 バンダイ 2010.09 各¥300