CCPから、1/6特撮シリーズ Vol.021 宇宙怪獣エレキングが発売された。今回は、彩色違いの水上戦Ver.と上陸戦Ver.のリリースで、各500体の生産である。原型については、既にブラックVer.が発売されていたことや、スーフェスでの展示、ブログの画像でお馴染となっていた。そこに、発売が焦らされて、何やら目新しさが無くなってしまった感がある。今回、上陸戦Ver.を購入したので紹介したい。
さて、社長の思い通りに中国工場から上がってこなかったことで、CCP内で修正が行われたという。上陸戦Ver.については、ブログによれば汚し塗装の土色の修正が行われたようである。では、実際どんな仕上がりと評価できるか。残念ながら、期待外れと言いたい。造形については、凛々しく身体の引き締まった体にデフォルメされている。実際のプロップスーツはダボダボなので、怪獣らしく整えられたことについては承知の上だった。各部位はエレキングの特徴を良くとらえており、尻尾の迫力も凄い。しかし、塗装が頂けない。積極的に塗っていないのだ。白色の成形色に黒斑と黒帯を塗り、その後は茶褐色のウェザリングのみの展開。本来はブラシワークで濃淡を付けるべきだが、所々を拭き取っている。そして、その箇所では安っぽい成形色が剥き出しになる。表皮のモールドのお陰で幸いにも陰影が付き平坦にはなっていないが、如何にも手抜きだと思う。おそらく、かなりの個体差が存在するだろうし、塗装が剥げているような低い品質感を漂わせる。水上戦Ver.は見ていないが、そちらの方が良かったかもしれない。なお、鼻から頭頂部、背面、そして尻尾先端へ走る黒色帯の塗装は、職人泣かせだ。今回のドットとベタ塗りのバランスは、コストに見合った仕様と言うことになろう。
LEDギミックは、常時点灯ではなく細かくフラッシュするタイプが付属した。早速取り付けてみたが、口の部分に銀塗装が施されているため、外部へ漏れる光量が少なくインパクトが弱い。良く見ないと、点灯していることが分からない。撮影しても表現されないくらいだ。
今後、尻尾の造形を変えてミクラスに巻き付きフラッシュするVer.が発売されるらしいが、本体の塗装も変更されるかもしれない。購入者に、自分で手を加えなければいけないと思わせるような商品では、本シリーズとしては問題だ。
Toy Data
1/6特撮シリーズ CCP
Vol.022 宇宙怪獣エレキング 上陸戦Ver. 2010.05 ¥9,870