京本コレクションとは、京本政樹氏がプロデュースするウルトラマンと仮面ライダーのビッグサイズソフビシリーズである。
京本正樹氏は、俳優・タレント・シンガーソングライターとして、多才を発揮し幅広く活躍している。特撮ヒーロー作品に対しては、子供の頃に見ていたという一般的な関心はあったものの、特別な思いを寄せるようになるのは、俳優として幾つかの番組出演を経てのことのようだ。その後、ライブやTV番組のトークで、特撮ヒーローについての考証を語ることが多くなり、ある時、円谷プロダクションから「バンダイから商品を出してみないか」とオファーがあったらしい。
そして、1991年に京本コレクションが誕生した。京本氏自身が造形担当だというが、どこまで製作を手掛けているのか明らかではない。しかし、超リアルプロポーションと約45cmというビッグサイズを誇るソフビシリーズとして話題を呼んだ。本シリーズは、ウルトラマンと仮面ライダーで展開し、時折、限定品も発売された。2001年の特撮フィギュアブームの時には、既発売品のパッケージや造型・彩色・素材を変更したリニューアル版も発売される。平成ライダーシリーズに入って仮面ライダークウガ、龍騎、アギトでは、さらなるクオリティアップが図られた。その後、サイズの見直しが行われ、仮面ライダー555の頃にK'sファクトリーとしてリスタートを切るが、販売は振るわずシリーズの続投が途絶えた。
そして2009年、京本コレクション発売18年目にして、新たにNEOシリーズとして再開されるにいたったのである。サイズは、一回り大きい50㎝となる。第一弾のウルトラマンAタイプでは、特有のラテックス製マスクの表面や上アゴの形状崩れ、各間接に生じるウェットスーツのシワまでもがリアルに造形された。そして、全身には、思い切った汚し塗装が加えられている。
実際に手にしてみて、確かに迫力と手ごたえを感じた。ここまでのソフビは、近年にないものである。強いて言えば、汚し塗装がこのようなウェザリングでいいのかどうか疑問。エアブラシによって陰影を付けるような汚しを中心にして、部分的なドライブラシで落ち着かせた方がリアルであろう。また、せっかくのマスクの塗装が光沢色で施されているが、ここは艶消し色がベターであったろう。いずれにしても、まずまずの出来栄えなので、今後ウルトラマンBタイプ、Cタイプ、ウルトラセブンへと進めて行かれることに期待をしたい。
Toy Data
京本コレクションNEO ウルトラマンAタイプ バンダイ 2009.06 ¥12,600